ohinanikki

音楽・本について、色々。

Shakey Graves - To Cure What Ails


Shakey Graves: NPR Music Tiny Desk Concert

そう 俺は 新しい目的地を目指した
ああ 新しい考え方、新しい状況だとか
けれど それは どこへと向かっているのか
子供の頃に 居場所を見つけるのは
むずかしいものだ

賢いギャングたちを知っている
俺たちは 森の中に砦を建てて
全ての女の子たちを罵り 唾を吐いた
世界中の誰からも 気にかけられずに
うん、あれもいい生き方だった

けれど 今は それから成長したつもり
大人になって 背も伸びて
裸足になることは もう なくなったみたいだ
けれど 嵐が過ぎ去れば
俺の足は どこへ行くべきか 知っている
全ての道が あなたへと 導いているから

俺は 少し痩せたように思うけど
あなたが 俺の燕尾服に乗っかった
その美しさの前に
今また 全てを差し出し
あなたの肌の上を散策する
どこか悪いところを 癒せるように

そして 俺の席からは ヤシの木が見える
でも 本当にどこへも 行きたいとは思わない
けれど それはどの道でも 何も変わることはない
なぜなら 全ての道が あなたへと つながっているから

いつも あなたを楽しませようとしてる
そのために 眠りもせずに
愛がやって来る時は 簡単そうに見える
けれど そう見えるのは
じきに過ぎていく 最初の時だけ

そう 俺が死ぬ時は もしかしたら
幸せな吟遊詩人なのだろうか
もしくは ただ 昔日の影なのか
自分のしてきたことを もう許してやった
嘆いているより ずっと楽しいよ
罪悪感なんて 身体に良くないもの

そして 俺の席からは ヤシの木が見える
でも 本当にどこへも 行きたいとは思わない
けれど どの道を選んでも 何も変わることはない
なぜなら 全ての道が あなたへと つながっているから

そう あなたよ 人生を通じて
俺は 何をすべきか知っている
なぜなら 全ての道が
俺を あなたへと 連れて行ってくれるから

Shakey Graves - Bully's Lament


Shakey Graves - Bully's Lament - Audiotree Live

そうだな、痩せぎすのレニーは
落とし物置き場にいるには 背が高すぎる
街の留置所に閉じ込めるには でかすぎる
ああ 彼はこれから 何をするだろう

そう 俺たち 自由に楽しむため 何をするだろう
この道は広く広く どこまでも続くように
見えている そういつも
ドライブはとても好きだけれど
今や車線から 俺は外れている

あてどもないなら どうやって自分の足で立つのだろう
そう けれど どういう訳だか すでにそうしている
空に触れることが 少しだけ簡単そうに見える

何かが あなたに近づいている
何かが 俺に近づいている
あなたに見えるだろうか

No yeah no no no no
俺たちは 他の人たちとはちがう
多分 本当に
No yeah no no no no no
俺たちは 他の人たちとはちがう
俺たちに できなかった
俺たちのしたかったことは

そう、貧しく だらけたローレンは
ドアの外へ出るには 小さすぎる
彼女は近所の人たちにとって うるさすぎる
そして、彼女は雑用のため 鈍くなる
ああ 彼女はこれから 何をするだろう

そう 私たち 自由に楽しむため 何をするだろう
この道は広く広く どこまでも続くように
見えている そういつも
ドライブはとても好きだけれど
今や車線から 私は外れている

あてどもないなら どうやって自分の足で立つのだろう
そう けれど どういう訳だか すでにそうしている
ここから何も見えないなら どうやって探し出すのだろう
ああ あなたと私

No yeah no no no no
私たちは 他の人たちとはちがう
多分 本当に
No yeah no no no no no
私たちは 他の人たちとはちがう
私たちに できなかった
私たちのしたかったことは

俳句

■あらくれ句会 第六回 20150429
 〈8-8-8 実験句会〉

・汗ばんで驟雨 夏まで数える まだらの水たち

・杜若 その名で記憶掻き立てる


■あらくれ句会 第八回 20150821

・鎌倉に放たれる凧 鷹の下

・空き家にて露草の瞼 ひらかれる

・橋わたる 自転車に似る蜻蛉たち


■あらくれ句会 第八回 20160115

扁桃腺 切られて夢に氷湖の蛸

・暖冬に 無理を重ねて鍵氷る


■あらくれ句会 第十回 20160219

・梅の紅 冬に馴染めず 液垂れす

・薄氷の鳴り止まぬ音 夢醒めて

・やがて謎 解けて氷海かさを増す


■あらくれ句会 第十一回 20160318

・ことづては 言い替えられて脈を打つ

・ただ母と川添い歩く 帰京の朝

・遠近を縮めてしまう 筆のふるえ


■あらくれ句会 第十二回 20160415

・風もつれ すり抜けきれぬ平行線

・初虹の手触り思う 薄らぐ雲に

・月閉じて 反転の境もらう鍵

・蜂の巣が 端からほどけ 忘れ出す


■びわ句会 20160430

・梅雨蛙 前世と記憶 半分こ

・初虹の手触り見えた 雲薄らいで

・沁みる歯に ミント過ぎ行く誕生日


■あらくれ句会 第十二回 20160507
〈8-8-8 実験句会 2nd〉

・辺りは江戸に 話者の汗のみ影をかたどり

・下駄描く円 空洞の淵 鈴と藤鳴る


*

連休中そうじしてたら、俳句のメモが出てきました。もう2年前になるのか、ライブで作詞をほめてくれた俳人さんが、会うたびに句会に誘って下さり、大人しそうな方ながら、それとなくでなく確実にはっきり何回も誘ってこられるので、あんまり断り続けるのも気まずいかと思い、参加したのでした・・・

今はあまりにも余裕がないのと、その俳人さん主催の句会が休止されているので、それ以来行けてませんが、最後に参加した日がちょうど掃除した日の1年前でした。早いもので。

ずぶもずぶの素人なので、こわごわ参加しましたが、言葉について真剣に考えている人たちの色々な意見が聞けて、目が開くような思いでした。今まで一人でつづけていた「書く」ということについて、面と向かっていま生きている人から生きた言葉で聞けるというのはすごく新鮮で楽しかった。

書いた句について「耳がいい」と言って下さった方がいて、実際にいいのか分かりませんが、そういえば音の好き嫌いが若い頃は特に激しくて、外に出るのも一苦労でした。書いたもの・選んだ言葉でそんなことも分かるのかと、驚いたのを覚えています。

という訳で、記念に?その頃に書いた俳句まとめました。ここから広げて歌詞になったものもいくつか。「十一月の歌」「薄灯るトンネル」とか。

少しだけ龍

11:55 -
Come Softly to Me

*

私は少しだけ龍だった。30代半ばから、ちょん切れたような尻尾が少し生えて、その付け根や背中に緑のうろこが少しあった。その頃の友達の1人にだけ、少し龍の部分があることを話していた。それからしばらくして、私は死んだ。横向けに倒れた時、全部が龍になった。尻尾は先っちょの終わりまで生えて、全身が緑のうろこになって、ぐっすりと眠るように死んだ。

そんなことが書いてある本と、友達の驚いた顔とを、龍になった私が雲の上から覗いていた。

20160806 昼、うたた寝

*

【夢解釈】

最近、大瀧詠一さんの音楽ばかりつづけて聴いているからだろう。「瀧」の字にはドラゴンが居て、かっこいい。この夢の前に川のある夢も見た。川は、サンズイのことだったのか。漢字が無意識にまで届くほど、焼き付いている。名は体を表すとしたら、私にとってはナイアガラというより、水をまとったドラゴンを表しているように思う、あの歌声は。水越しに見える、神話の中の生き物。


*

十代の頃にバイトしていた旅館で、オールディーズのコンピCDがあり、その中でとても好きな曲があったが、曲名を忘れてしまっていた。ただメロディだけ覚えていて、たまに鼻歌で歌っていた。昨日youtubeを見ていたら、なんとその曲を大瀧詠一さんが歌っていて、息が止まるほど驚いた。しかも原曲より上手くて美しくて、さらに驚く。何かに化かされたような気分で、あまりに驚いたのを上手く消化できてなくて、それで今日、龍に化けてしまう夢を見たのだろう。

Rex's Blues - Jolie Holland


(対訳) 


遠くから 気まぐれな あのブルーな風にのって
彼女はお前を苦悩へと 引きずりおろす
お前は置き去りにされる 時の過ぎるがまま
一人孤独に 堕ちるがままとなって

もし 5セントあれば 賭けを探すだろう
もし 1ドル勝ったら 放り投げるだろう
もし 海へと雨が降れば この渇きのため飲むのだろう
この満たされなさに 身を投げ出して

この足は歩きながら 飛ぶことを想った
眼は笑うことを 口唇は泣くことを
落ち着きのないこの舌は 隠すということを
全てが生まれるのは 成長するため
そして成長するのは 死ぬためだ

だから愛しい君に 長い時間をかけて伝えよう
母には 僕は間違っていなかったと
兄弟には 自分自身をよく知るのだと
そして友達には 僕のため悲しむことはないのだと

目の前のリズムの枷につながれて
ばかげた韻ばかりで いっぱいになった
けれど ただの暗闇なんかじゃなく
何かが輝く前なんだ
僕は この夜が明けていく どこか途中にいる

遠くから 気まぐれな あのブルーな風にのって
彼女はお前を苦悩へと 引きずりおろす
お前は置き去りにされる 時の過ぎるがまま
一人孤独に 堕ちるがままとなって

 

Pint of Blood

Pint of Blood