ohinanikki

音楽・本について、色々。

夏目漱石『夢十夜』より「第一夜」から、前半部分 解釈

*夏目漱石『夢十夜』よりわたしが死んだら作詞 中村安伸作曲 大野円雅わたしが死んだら土に埋めて下さい大きな真珠貝で 掘って星の破片を 墓標に置いて墓の傍で 待っていてきっと 逢いに来ますから日が昇るでしょうそれから 日が沈むでしょうそれから また昇…

Emily Dickinson - As imperceptibly as Grief 原詩 / 訳

As imperceptibly as GriefThe Summer lapsed away-Too imperceptible at lastTo seem like Perfidy-A Quietness distilledAs Twilight long begun,Or Nature spending with herselfSequestered Afternoon-The Dusk drew earlier in-The Morning foreign sho…

Emily Dickinson - As imperceptibly as Grief 解釈

As imperceptibly as GriefThe Summer lapsed away-Too imperceptible at lastTo seem like Perfidy-悲しみのように いつの間にか夏は 過ぎ去った―ついに あまりにそっとなされた不実のように―悲しみが過ぎ行くように、夏がいつの間にか過ぎ去った。「不実」…

Emily Dickinson - Because I could not stop for Death – 原詩 / 訳

Because I could not stop for Death – He kindly stopped for me – The Carriage held but just Ourselves – And Immortality.We slowly drove – He knew no hasteAnd I had put awayMy labor and my leisure too,For His Civility –We passed the School, …

Emily Dickinson - Because I could not stop for Death― 解釈

*Because I could not stop for Death – 「“死”へと立ち止まれなかった 私のために – 」「なぜなら」から始まる。エミリー・ディキンソンにとって既視感のある風景の、その途中からふいに語り始める。「死」を夢見ていたせいか。声高に始めるのは合わない。…

Shakey Graves - Dearly Departed 訳

あなたと僕は お互い知っているこの家に 幽霊がいることをあなたと僕は お互い知っているそして その幽霊が僕であることをあなたはシーツの中で 僕を捕まえたけどただ 鎖が 音を立てただけそう、その時は そのことがそうおかしなことには 思えなかったあなた…

“Dearly Departed”の謎

重箱の隅を冷えた目線で断罪するより、始まりは虫の目線であっても積み重ねて積み重ねて、その全体の大きさと調和に畏怖していたい。このご時世、矮小化は何よりも易しく早い。魔法は魔法のままであってほしく、あっという間に解けてしまうのではなく、何な…

Shakey Graves - To Cure What Ails

Shakey Graves: NPR Music Tiny Desk Concert そう 俺は 新しい目的地を目指したああ 新しい考え方、新しい状況だとかけれど それは どこへと向かっているのか子供の頃に 居場所を見つけるのはむずかしいものだ賢いギャングたちを知っている俺たちは 森の中…

Shakey Graves - Bully's Lament

Shakey Graves - Bully's Lament - Audiotree Live そうだな、痩せぎすのレニーは落とし物置き場にいるには 背が高すぎる街の留置所に閉じ込めるには でかすぎるああ 彼はこれから 何をするだろうそう 俺たち 自由に楽しむため 何をするだろうこの道は広く広…

俳句

■あらくれ句会 第六回 20150429 〈8-8-8 実験句会〉 ・汗ばんで驟雨 夏まで数える まだらの水たち ・杜若 その名で記憶掻き立てる ■あらくれ句会 第八回 20150821 ・鎌倉に放たれる凧 鷹の下 ・空き家にて露草の瞼 ひらかれる ・橋わたる 自転車に似る蜻蛉た…

少しだけ龍

11:55 -Come Softly to Me*私は少しだけ龍だった。30代半ばから、ちょん切れたような尻尾が少し生えて、その付け根や背中に緑のうろこが少しあった。その頃の友達の1人にだけ、少し龍の部分があることを話していた。それからしばらくして、私は死んだ。横向…

Rex's Blues - Jolie Holland

遠くから 気まぐれな あのブルーな風にのって彼女はお前を苦悩へと 引きずりおろすお前は置き去りにされる 時の過ぎるがまま一人孤独に 堕ちるがままとなってもし 5セントあれば 賭けを探すだろうもし 1ドル勝ったら 放り投げるだろうもし 海へと雨が降れば …

歌詞解釈③:遠雷 - ましまろ

遠雷 ましまろ作詞/曲:真島昌利 わだかまる雲 ひっぱるネオン半開きの窓 南へ走る 列車の音が風に途切れてる ふらり ふらふら考えている考えてもない眠くない 錆付く鉄の 橋の下にはカラスの休日 海賊たちの 遥かな歌を思い出している ふらり ふらふら考え…

歌詞の解釈②:したたるさよなら - ましまろ

したたるさよなら ましまろ作詞/曲:真島昌利 なまめく 虎の縞模様夕陽の首が 折れている 19世紀の絵の中の海へ 思い出 冬の体育館シャッター 逆光のままで 吐く息白い 冷たいやさしさ したたる さよならしたたる さよなら なまめく 虎の縞模様夕陽の首が 折…

歌詞の解釈①:体温 - ましまろ

お正月、先立つものもなく、歌詞の読解をしたくなった。作者の意図を汲んだり、大方の読みを読んだり、なんてことは自分には難しい。自分が引き出したい情報を探っていく。こんなようなことばかり考えていたせいか、初夢は未だに見ていない。 — 体温 ましま…

『自選自解 大野林火句集』

昨晩寝る前に読んでいたら、涙が止まらなくなってしまった。俳句すごい。以下そのまま引用。 — *冬の夜や頭にありありと深海魚 燈火管制下に得た。黒布はつねに電燈を蔽うように用意され、警戒警報のサイレンとともに黒布をさげて電燈を蔽った。電燈のあかり…

いつか問いを追い越すために

日曜に霊園散歩。冬の澄んだ余白の端、暮れる日の色が滲んでいた。死んでしまった人について、先週長いメールのやり取りをした(2000字ぐらい)。そのことをかすかな風の中で、途切れ途切れに思い出したり、そのつづきを考えたりした。 死について考えること…

病み上がる朝に

31日の晩、夢を見た。長い扁桃腺炎がようやく治ってきた頃だった。私にとってはこれが初夢だろうと思った。なので1・2日の夢は覚えていない。 一度起きたので、2つ。 1つ。その朝は重く澄んだ、うら寂しい碧だった(これで見ると「青藤色」に近い)。 目覚め…

Love I Obey - Jack Hall

私の名前はジャック・ホール、煙突掃除夫、煙突掃除夫の私の名前はジャック・ホール、煙突掃除夫の私の名前はジャック・ホール、富豪からも貧者からも盗み続けてきたそして その全てに 私の首が支払うでしょう 私が死ぬ時、死ぬ時にそして その全てに 私の首…

生理的に無理、とか

ふと思ったこと。「生理的に無理」の生理って、多分その人の身体的(に感受できる)感覚、もしくは育った環境に依るもの、なのではと。で、若いうちは(若いうちこそ)エーテル体(ざっくりいうと生命力)が弱いらしいので、身体的感覚・育った環境による感…

反映の境で、振り返る

ハロウィンみたいだし(会社、いたるところにお菓子がたくさん)、怪文書でも。1内も外も、くらげ。海月が、界面活性剤漬けの、肌を刺すような溶かすような水の中へ、身を投じる。その時はそれが良かれと思っていた。夜になるとその海の底へ潜り、ふるいにか…

何かを教わる時はいつも、話すことそれ自体も教わっている

とある人と、とあるメールのやり取りをした。おそらく60才前後?の方だが、さすが年の功(失礼かな?)と感心。本当に感銘を受けた。こんなふうにくさみのない、澄んだ言葉が流れるように紡げるのなら、そのためだけにも長生きしてみたい。淡々と不要な情緒…

ピアノ探訪⑥

7月、京都で練習する場所を探していたら、楽器店でピアノ室を貸している場所を発見。1945年創業のアメリカヤ楽器店というところで、しかもディアパソンをメインに扱っていて、練習室にもEシリーズ(大橋デザイン)のディアパソン。ひつこく探したかいがあっ…

夢について、気付いたこと

夢について、気付いたこと。夢には何となく「虫の知らせ」とか、「予知夢」のイメージを持っていた。けど、むしろできごとの余韻・反芻(できごとが終わっても、それについての気持ちがまだつづいている)とか、よそで現在進行形で流れていること、だと思っ…

ピアノ探訪⑤

ピアノを買えることになりました。ので、何が何でも引っ越さなくてはいけなくなりました。 下写真の大橋ピアノがそれです。上はその設計者である大橋幡岩さんが、かつて在籍していた小野ピアノのもの。 大橋ピアノは音色には相当なこだわりを持って作られて…

ピアノ探訪④

■旧グッゲンハイム邸にて、展示品であったプレイエル 2013年1月に神戸市塩屋「旧グッゲンハイム邸」にて、演奏させていただく機会があった。実はそのころも色々あって、かなり暗い気持ちで関西まで向かっていた。塩屋の駅から、小高い丘の上に立つ洋館が見え…

ピアノ探訪③

■アポロピアノに驚く (前回のつづき) 余韻の中をゆるやかに遠回りしながら、バス停へ向かい、国道に出た。少し行くと、こじんまりしたお店の中にアップライト・ピアノが並んでいた。ショール-ムというより、町の楽器屋さん、という出で立ち。入ってみると…

ピアノ探訪②

■厚木、ピアノ再生工房へ (旧・昭和音大 跡地) 久しぶりに小田急線に乗って、海老名へ。そこからさらにバスで15分ほど行き、停留所から降りて歩く途中、昭和音楽大学の跡地があった。校内にあったのだろう、だだっ広い空き地に大きな木がぽつりと。 古いピ…

ピアノ探訪 ①

■部屋にピアノがほしいお金も演奏技術もどちらも全くないのに、生ピアノがとてもほしい。思えば、実家を出た時からずっとそうだった。以前住んでいた部屋と、その前の2ヶ所は、どちらも建物地下にピアノのあるところだった。振り返って、自分なんかがああい…

John Martyn - Couldn’t love you more

もしあなたが 私のために あの太陽に 口づけしたとしてももしあなたが いつかそうなったかもしれない 全ての嘘を 私に話してくれてももしあなたが 私のために 崩れ落ち 倒れて 死んでしまったとしても私にはもう あなたを愛せない私にはもう あなたを愛せな…

Lee Wiley

十代の頃から好きな歌手の一人であったのだけど、以前にはここまで響いていなかった。最近ただただ、くり返し聴いている。 ナイト・イン・マンハッタン アーティスト: リー・ワイリー 出版社/メーカー: SMJ 発売日: 2013/09/11 メディア: CD この商品を含む…

19世紀・パリの愚者と隠者たち

タロットの解釈を考えていたら、「0 愚者」はランボーの「感覚」なのだ、と思った。2011年9月という時に出版された、鈴村和成・個人新訳による全集は、この詩から始まっている。「そしてゆこう、遠く、ずっと遠くへ」と。プルトニウムの風に吹かれて。 ラン…