ohinanikki

音楽・本について、色々。

ピアノ探訪 ①

■部屋にピアノがほしい

お金も演奏技術もどちらも全くないのに、生ピアノがとてもほしい。思えば、実家を出た時からずっとそうだった。以前住んでいた部屋と、その前の2ヶ所は、どちらも建物地下にピアノのあるところだった。振り返って、自分なんかがああいう場所に住めて、本当にラッキーだったなと思う。

今は2004製Rolandの電子ピアノで練習していて、当時御茶ノ水の楽器屋さんにて試弾した中から、失業保険で買ったもの。数年前ヘッドフォンをSENNHEISER HD598にしてから、備付のものよりとても音がいいし聞き疲れしなくなったのだけど、やはり生のピアノの音を聴きたくなる。

■中古輸入ピアノ ショールームへ

去年、新宿にある中古輸入ピアノ専門店のショールームを観に行った。海外製のピアノは、今までおそらく数回ぐらいしか弾く機会がなかったと思う。個性豊かで拘りのある造りや音色は、とても新鮮で大きな魅力と、いくらかとまどいも感じた。

弾いていて何というか、また違う国の言葉を覚え直すような練習が必要になるだろうな、と思った。おそらく今まで触れる機会のあった日本製のピアノとは、また全然ちがう理念や美意識で造られているのだろう。以下、演奏技術のない人の、個人的な感想を書く。

スタインウェイは今まで何度か弾いたことがあって、やはりタッチがやわらかくとても弾きやすい。指の圧が本当に繊細に楽器に伝わる。でも逆にいうと誰でも一定以上は楽に上手く聴こえるようなというか、誰でもスタインウェイの音に手を引かれるような演奏になってしまう・・・ような気もちょっとした。教習所でオートマ車に乗ったとき、あまりに操作が楽すぎて、こんな楽に運転できていまっていいのかな、と不安に思ったが自分の中ではそれと似ている。

ベーゼンドルファーは地の底から響くような厚みと深みがあり、不必要なきらびやかさはなく、かっこいい音だと思った。が、これを弾きこなすにはむずかしく感じた。ここから自分の音を引き出すよう、探求するようこの楽器は迫ってくるようにも感じた。それには時間がかかるだろうし、その努力ができればとても深い音と経験になるのだろうと思う。けれど、これからもよそで弾く機会があっても9割がた日本製(の安もの、もしくはメンテされてない)なので、そういう他とあまりにちがった特殊なピアノで弾いて本番用の練習になるのだろうか、とも思った。ピアノを会場まで持って行けたら、どれだけ個性が強くとも単純に気に入ったものを選べるのだけれど。


それに、まず何しろ高い。中古、でも。のちのち冷静に計算してみたが、生きているうちに払い終えるのか、不安になる額だった。そんなの、そもそもお店に入る前に気付くべきなのだけど・・・

 中古輸入ピアノは①よそで演奏することを考えると、実用的でないかも、②中古でも、払い終える自信が持てない、ので候補から外しつつある。


 実は昨日、厚木までまたピアノを観に行ってきて、もともとそのことを書くつもりだったのだけど、すでに前置きがこんなに長くなってしまった。ので、また次回。


 そろそろ人生折り返し地点、どうしても家にピアノがほしく、今まで収集した情報の備忘と個人的観点による整理を兼ねて、これから少しずつ書いていこうと思う。