ohinanikki

音楽・本について、色々。

病み上がる朝に

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31日の晩、夢を見た。長い扁桃腺炎がようやく治ってきた頃だった。私にとってはこれが初夢だろうと思った。なので1・2日の夢は覚えていない。

一度起きたので、2つ。

1つ。
その朝は重く澄んだ、うら寂しい碧だった(これで見ると「青藤色」に近い)。

目覚めてベランダに出る勝手口を開けると、眼下に大きな飛行機たちが交差して、滑走していた。その1つがゆっくりと離陸した。私は空港に住んでいるようだった。いくつかの飛行機を見送った。行き違う、こちら側の眠気が醒めるまで。

2つめ。
鴇色を映す湖いちめん。夜が明ける時刻に漂う。その空はなぜか見えない。湖はどこまでも広がる。乗っているボートの一漕ぎのたび、さらに広がり続けている。湖底から穏やかに脈打つ。どこかずっと遠くにある水の端が、行き渡るように伸びつづけている。そんなことを、自分の身体の中の水のように感じる。

漕ぐ人は、私の気がかりをまだ知らない。けれど何を知っても変わらない横顔をしていた。私が思ったこともないことで、出来ている、ここから。ここからが、見えてくる。いま言えると知っている範囲の外に、言づけの宝石みたいな房がある。幾度も見たことがある。死ぬ、というのは、例えばそれをはたと、見かけなくなることかもしれない。湖がどこかでまた、宝石を飲み込むのを感じる。