ohinanikki

音楽・本について、色々。

言葉

Hallelujah - Leonard Cohen / Jeff Buckley

この世界には 隠されたコードがあるらしいダビデが弾いて、主を喜ばせたというでも君は 音楽なんて好きじゃないだろ?それはこんなふうに 4thから5thへマイナーへ落下し メジャーへと高揚する困惑した王が作曲した“ハレルヤ” ハレルヤ、ハレルヤ・・・ あな…

温い水

開かれた扉になぜか ふと振り向いた読みかけの本から眼が 離れていった特別なしるしだから特別でいようと決めた足枷は 砂糖細工温い水 溶かしていく今はただ 西日の下反射して 煌めくだけ水に映る 夢のようあなたの瞳は瞬く火を 湛え静かに やり過ごして揺れ…

水輪

みずわの 銀色光る夜を ながめた透明が 闇と 綾なす灯台が 照らし始めたこんなにも 歩いたことを今 魔法の中を 通り抜けていく今まであったこと 忘れてしまいたい静かの海の上を 真似た アスファルト月に星が 降りしきる 灯台が 照らし始めたこんなにも 歩い…

桟橋 Pt.Ⅱ

冬の朝明け 引き潮 煙って漂泊の果てで 薄らいでゆく船ひとけない 桟橋の上から 見てた越境の時は いつも誰もいない恋人よ 何一つも気にしないでこの世界には 二人だけだと気が付いて瞬く隔たり 揺らぐ領国暗転の瞬間は 橋が架かる合図声になったことのない …

Emily Dickinson - There’s a certain Slant of light, – 原詩 / 訳

There’s a certain Slant of light, Winter Afternoons―That oppresses, like the Heft Of Cathedral Tunes―Heavenly Hurt, it gives us―We can find no scar, But internal difference― Where the Meanings, are―None may teach it―Any―‘Tis the seal Despa…

Emily Dickinson - After great pain, a formal feeling comes – 原詩 / 訳

After great pain, a formal feeling comes―The Nerves sit ceremonious, like Tombs―The stiff Heart questions ‘was it He, that bore,’And ‘Yesterday, or Centuries before’?The Feet, mechanical, go round―A Wooden wayOf Ground, or Air, or Ought―Re…

Emily Dickinson - The Poets light but Lamps — 原詩 / 訳

The Poets light but Lamps —Themselves — go out —The Wicks they stimulateIf vital LightInhere as do the Suns —Each Age a LensDisseminating theirCircumference —---詩人は ランプに火を灯すだけ―自身は― 立ち去る―彼の詩が 芯をかき立てるもし そこ…

Emily Dickinson - A Wounded Deer—leaps highest— 原詩 / 訳

A Wounded Deer—leaps highest—I’ve heard the Hunter tell—‘Tis but the Ecstasy of death—And then the Brake is still!The Smitten Rock that gushes!The trampled Steel that springs!A Cheek is always redderJust where the Hectic stings!Mirth is th…

Emily Dickinson - I died for Beauty - but was scarce

I died for Beauty - but was scarce Adjusted in the Tomb When One who died for Truth, was lain In an adjoining Room -He questioned softly "Why I failed"? "For Beauty", I replied - "And I - for Truth - Themself are One - We Bretheren, are", …

Emily Dickinson - If you were coming in the Fall,

If you were coming in the Fall,I'd brush the Summer byWith half a smile, and half a spurn,As Housewives do, a Fly.If I could see you in a year,I'd wind the months in balls―And put them each in separate Drawers,For fear the numbers fuse―If …

The Moon is distant from the Sea – 原詩 / 訳

The Moon is distant from the Sea –And yet, with Amber Hands –She leads Him – docile as a Boy –Along appointed Sands –He never misses a Degree –Obedient to Her eye –He comes just so far – toward the Town –Just so far – goes away –Oh, Signor…

三月の歌(雪の果て)

三月の歌(雪の果て) 作詞/曲 大野円雅 雪の果てで 思い出した忘れていた 声がしたから 雪に溺れ 山波にさらわれ見失った果てで 聞き取った 足音 水の音手のひらに 風のたなびき 言葉になろうもう 忘れないように言葉になろう囁かれたままでいよう 探し当て…

Youth - Daughter

Daughter - Youth (対訳)若さ あなたの去った跡に 影が留まっている私たちの理性は 虚無感に苛まれている 「途中」なんてもう 打ち捨ててそれは時間の無駄だから完璧な始まりから 終わりの時までをどうか一息に そしてもし まだ息をしているなら あなたは…

夏目漱石『夢十夜』より「第一夜」から、前半部分 解釈

*夏目漱石『夢十夜』よりわたしが死んだら作詞 中村安伸作曲 大野円雅わたしが死んだら土に埋めて下さい大きな真珠貝で 掘って星の破片を 墓標に置いて墓の傍で 待っていてまた 逢いに来ますから日が昇るでしょうそれから 日が沈むでしょうそれから また昇る…

Emily Dickinson - Because I could not stop for Death― 原詩 / 訳

Because I could not stop for Death―He kindly stopped for me―The Carriage held but just Ourselves― And Immortality.We slowly drove―He knew no hasteAnd I had put awayMy labor and my leisure too,For His Civility―We passed the School, where Ch…

『自選自解 大野林火句集』

昨晩寝る前に読んでいたら、涙が止まらなくなってしまった。俳句すごい。以下そのまま引用。 — *冬の夜や頭にありありと深海魚 燈火管制下に得た。黒布はつねに電燈を蔽うように用意され、警戒警報のサイレンとともに黒布をさげて電燈を蔽った。電燈のあかり…

いつか問いを追い越すために

日曜に霊園散歩。冬の澄んだ余白の端に、落ちていく日の色がにじんでいた。死んでしまった人について、先週長い長いメールのやり取りをした。そのことをかすかな風の中で、途切れ途切れに思い出したり、つづきを考えたりしていた。 「死について考えることは…

生理的に無理、とか

ふと思ったこと。「生理的に無理」の生理って、多分その人の身体的(に感受できる)感覚、もしくは育った環境に依るもの、なのではと。で、若いうちは(若いうちこそ)エーテル体(ざっくりいうと生命力)が弱いらしいので、身体的感覚・育った環境による感…

反映の境で、振り返る

ハロウィンみたいだし(会社、いたるところにお菓子がたくさん)、怪文書でも。1内も外も、くらげ。海月が、界面活性剤漬けの、肌を刺すような溶かすような水の中へ、身を投じる。その時はそれが良かれと思っていた。夜になるとその海の底へ潜り、ふるいにか…

何かを教わる時はいつも、話すことそれ自体も教わっている

とある人と、とあるメールのやり取りをした。おそらく60才前後?の方だが、さすが年の功(失礼かな?)と感心。本当に感銘を受けた。こんなふうにくさみのない、澄んだ言葉が流れるように紡げるのなら、そのためだけにも長生きしてみたい。淡々と不要な情緒…