■あらくれ句会 第六回 20150429
〈8-8-8 実験句会〉
・汗ばんで驟雨 夏まで数える まだらの水たち
・杜若 その名で記憶掻き立てる
■あらくれ句会 第八回 20150821
・鎌倉に放たれる凧 鷹の下
・空き家にて露草の瞼 ひらかれる
・橋わたる 自転車に似る蜻蛉たち
■あらくれ句会 第八回 20160115
・扁桃腺 切られて夢に氷湖の蛸
・暖冬に 無理を重ねて鍵氷る
■あらくれ句会 第十回 20160219
・梅の紅 冬に馴染めず 液垂れす
・薄氷の鳴り止まぬ音 夢醒めて
・やがて謎 解けて氷海かさを増す
■あらくれ句会 第十一回 20160318
・ことづては 言い替えられて脈を打つ
・ただ母と川添い歩く 帰京の朝
・遠近を縮めてしまう 筆のふるえ
■あらくれ句会 第十二回 20160415
・風もつれ すり抜けきれぬ平行線
・初虹の手触り思う 薄らぐ雲に
・月閉じて 反転の境もらう鍵
・蜂の巣が 端からほどけ 忘れ出す
■びわ句会 20160430
・梅雨蛙 前世と記憶 半分こ
・初虹の手触り見えた 雲薄らいで
・沁みる歯に ミント過ぎ行く誕生日
■あらくれ句会 第十二回 20160507
〈8-8-8 実験句会 2nd〉
・辺りは江戸に 話者の汗のみ影をかたどり
・下駄描く円 空洞の淵 鈴と藤鳴る
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連休中そうじしてたら、俳句のメモが出てきました。もう2年前になるのか、ライブで作詞をほめてくれた俳人さんが、会うたびに句会に誘って下さり、大人しそうな方ながら、それとなくでなく確実にはっきり何回も誘ってこられるので、あんまり断り続けるのも気まずいかと思い、参加したのでした・・・
今はあまりにも余裕がないのと、その俳人さん主催の句会が休止されているので、それ以来行けてませんが、最後に参加した日がちょうど掃除した日の1年前でした。早いもので。
ずぶもずぶの素人なので、こわごわ参加しましたが、言葉について真剣に考えている人たちの色々な意見が聞けて、目が開くような思いでした。今まで一人でつづけていた「書く」ということについて、面と向かっていま生きている人から生きた言葉で聞けるというのはすごく新鮮で楽しかった。
書いた句について「耳がいい」と言って下さった方がいて、実際にいいのか分かりませんが、そういえば音の好き嫌いが若い頃は特に激しくて、外に出るのも一苦労でした。書いたもの・選んだ言葉でそんなことも分かるのかと、驚いたのを覚えています。
という訳で、記念に?その頃に書いた俳句まとめました。ここから広げて歌詞になったものもいくつか。「十一月の歌」「薄灯るトンネル」とか。